ARCHITECTS' concept

広いデッキに深い庇をかけ
同時に明るいオープンスペースを実現したい

建築地は緑の深い山間の集落。500坪もの土地を少しづつ整備しながら、これから500本もの苗木を植え、間引き、育て、湿地や池、畑なども計画して森を創っていく、3年 5年と楽しみな家です。仲間が来訪した際には、庭にテントを張り宿泊をしたり…とプライベートキャンプ場のようにしたいという要望がありました。

タープをイメージした屋根は折り紙のようなシャープなフォルムで、杉板の壁にかぶせました。南西方向に縁台のような半外空間の広いデッキがあり、深い庇がかかっています。室内は一体空間の広々としたスペースで、リビングスペースと寝室・書斎スペース、2階の空間が繋がるプランになります。天井は屋根形状をそのまま内部に反映さることで船底のような美しさを表現しました。

開口部は広大な庭とつながり、外に気持ちを誘うよう計画しました。デッキに掛る庇が深い分、内部空間を照らす天窓が必要と判断し、リビング・ダイニングの中心エリアの照度を確保する配置とサイズを最後まで検討していました。晴れの日、曇りの日で表情豊かな空間となり、十分な明るさを得ることに成功したと思います。
OWNERS' impression

近くに流れる沢から鳥の音が聞こえ
アウトドアを満喫できます

キャンピング用品のプロダクトデザイナーをしているので、キャンプ場のような山間の立地が気に入りました。思い描く家のデザインを叶えるため、これまでのお仕事をみてオーガニックスタジオ新潟に伺いましたが、広い敷地の除草に考えあぐねていると、「山羊を飼えばいい」と提案してくれた社長の個性に惹かれ、お願いすることにしました。

要望をまとめて設計の阿部さんに相談しましたが、全て叶えてくれたのでとても満足しています。特に深く庇のかかるデッキは一番欲しかった空間で、近くに流れる沢から鳥の音が聞こえ、風が通る気持ち良いスペースになりました。食事が中心のライフスタイルなので、キッチンは製作していただき、アウトドア用のハイカロリーバーナーを置けるスペースがあります。

天窓は曇りでも明るいので、室内が暗いと感じることはありません。雨が降ると1歳の男の子が天窓を見てすぐに気付くんです。仕事も趣味もアウトドアなので、庭と建物の調和を計ってプランしてもらえたのがとても良かったと思います。アウトドアを楽しんでもらいたいので、お客さんには両親を含め庭にテントを張って過ごしてもらっています。


使用天窓: FSフィックスタイプ M04サイズx2台
施工: オーガニックスタジオ新潟
photo: 畑拓

採光シミュレーション: VELUX Daylight Visualizer