ARCHITECTS' concept

5角形のリビング・ダイニング
スポットで奥を意識させる

横から入る光だけでは得られない光があります。天窓の光は意識させずに落とす方法と、スポット的にどっと落とす方法があるのですが、ここではスポットで奥を意識させる使い方をしました。玄関から階段で上がったところに見る奥のリビング・ダイニングが輝くような使い方です。敷地の高低差に従う形でできた階段等の段差ですが、それがかえって空間を楽しく豊かなものにしています。

敷地は、なだらかな坂道に面した台形で、5角形のリビング・ダイニングは、板の間の客室と繋がる一体空間にしています。将来的には暖炉を入れるプランになります。敷地の東側には、モミジの木がもともとあり、この木を残しました。眺めについては、敷地と隣接地の緑の関係を考えて窓位置を合わせており、2階からは、遠くの森の景色が窓越しに連なるように見えます。

全てに木構造を味わえる住宅を望まれていたのですが、強いこだわりがある一方、木構造における提案に理解があるクライアントでしたので、相談にお答えする形で間取りや使用する材料を決めて行きました。内装の殆どは国産杉を使っていますが、杉は全て無塗装。保水性(調湿効果)に優れ、ヒノキと比べて節が目立たず、手触り足触りが良くて温かいです。
OWNERS' impression

素足の感覚でずっと暮らしたい
一家が団欒できる家

元々木の家や自然素材が好きなのですが、工業デザインをしている勤務先のオフィスが近代的な内装で、家族で生活していた仮住まいの家も壁一面ビニールクロスだったのが嫌で、木の家を渇望する気持ちが次第に強くなって行きました。色々建築関係の本を読み漁った末、川口さんの住宅が掲載された記事を見つけて、こちらからご連絡したのがきっかけです。

いつも間近に土や木を見ることができる住まいにしたいと相談していました。都心を離れた自然豊かな土地なので、子育てにとって理想的な環境です。断熱材の代わりに分厚い板を充填し、木と土佐漆喰だけで仕上げ、プラスチックや接着剤を使用している材料が内装部分に一切出ない空間を提案していただきました。素足の感覚でずっと暮らしたいと考えています。

小さな子供達が家のなかを飛びまわれるようなプラン、田舎家風のワンルームにしていただきました。広間は奥が暗くなるのでと、天窓をすすめられましたが、実際付けてみるまでこんなに明るくなるとは思っていませんでした。雨の日でも明るいのが不思議なくらいです。客間を含めた広々とした板の間で、天窓の下、一家が団欒できる家になったと思います。



所在地: 神奈川県厚木市
延床面積: 87.04㎡
使用天窓: FSフィックスタイプ M04サイズx1台
施工: 堀井工務店
photo: スパイラル/小林浩志(07-11川口通正)

※注意
開閉タイプやブラインドをご使用の場合、上記納まりをするとメンテナンスできなくなる可能性があります。
ご検討の際はお問い合わせください。