ARCHITECTS' concept
5角形のリビング・ダイニング
スポットで奥を意識させる
横から入る光だけでは得られない光があります。天窓の光は意識させずに落とす方法と、スポット的にどっと落とす方法があるのですが、ここではスポットで奥を意識させる使い方をしました。玄関から階段で上がったところに見る奥のリビング・ダイニングが輝くような使い方です。敷地の高低差に従う形でできた階段等の段差ですが、それがかえって空間を楽しく豊かなものにしています。
敷地は、なだらかな坂道に面した台形で、5角形のリビング・ダイニングは、板の間の客室と繋がる一体空間にしています。将来的には暖炉を入れるプランになります。敷地の東側には、モミジの木がもともとあり、この木を残しました。眺めについては、敷地と隣接地の緑の関係を考えて窓位置を合わせており、2階からは、遠くの森の景色が窓越しに連なるように見えます。
全てに木構造を味わえる住宅を望まれていたのですが、強いこだわりがある一方、木構造における提案に理解があるクライアントでしたので、相談にお答えする形で間取りや使用する材料を決めて行きました。内装の殆どは国産杉を使っていますが、杉は全て無塗装。保水性(調湿効果)に優れ、ヒノキと比べて節が目立たず、手触り足触りが良くて温かいです。